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動画マーケティングとは?
メリットや目的別の成功ポイントまで徹底解説

スマートデバイスの普及、5Gの運用開始による通信の高速化などの背景から、動画の存在は一気に身近なものとなりました。企業のマーケティング担当者にとっては、動画を活用したマーケティングに取り組むことは喫緊の課題ともいえるでしょう。

本記事では、動画マーケティングを検討している方向けに、実施するメリットやステップ、目的別の成功のポイントなどを解説します。実施方法の具体的なイメージを掴み、ぜひ検討段階まで進んでいただけたら幸いです。

●目次

動画マーケティングとは?

動画マーケティングとは、マーケティングの手法の一つで、動画広告からテレビCM、デジタルサイネージ、ウェビナー、レクチャー、ライブ配信、採用動画など、映像コンテンツを活用した施策全体を指します。

いわゆるWebマーケティング領域だけでなく、店舗やイベント会場などでの放映も含むため、広くマーケティング施策の目的達成に有効な手段となります。ほかのマーケティング施策と同じく目的設定が非常に重要で、効果的な動画マーケティング施策は、認知度向上やブランディグ、顧客獲得、ナーチャリング、満足度向上などのアプローチから事業成長を後押しするでしょう。


・動画マーケティングが重要視される理由

近年、動画マーケティングが重要といわれる理由は大きく以下3つの理由が考えられます。

    - スマートデバイス・動画プラットフォームの普及

    - 5Gの運用開始による通信高速化

    - ユーザー動画視聴に対する意識の変化

スマートデバイスの普及、通信の高速化によってユーザーは場所や時間的な制約がなく、いつでもどこでも動画を楽しめるようになりました。その結果、YouTubeやTiktokなどの動画プラットフォームが急速に市場に浸透し、例年、市場規模の推移・予測を調査している株式会社サイバーエージェントの2024年の調査によると、動画広告市場は2023年の実績値で6,253億円、2027年には1兆円に届く勢いで推移しているとしています。

その傾向を指し示すように、2019年に株式会社スプレッドオーバーが行った「動画視聴における意識調査」では以下のような結果となりました。

この調査結果で注目したいのが、60%以上の人が「1日に30分以上、動画視聴をしている」ということです。なお、「視聴目的」の項目では約20%、「動画の必要性」の項目では約32%のユーザーが、「情報種集」と回答しており、動画視聴における「情報収集」の重要性が高まっていることがうかがえます。

動画マーケティングの配信先と種類

実際に動画マーケティングを行う際に、まず立ちはだかるのが「どこで、何を配信するか」という課題です。動画活用の方法は多岐に渡り、多ければ多いほど効果が高いのはもちろんですが、その分予算や工数も大きくなります。そこで重要なのが、自社の目的に応じてどのチャネルを活用するか適切に取捨選択することです。

その判断材料として、ここではどんな配信先や動画の種類があるのかを比較しながら見ていきましょう。


・動画の配信先の種類

配信先を選ぶ際に気にしなければいけないのが、ターゲットとなる層の視聴です。たとえば、若年層ならTikTok、30〜40代ビジネスマン層ならタクシー広告、というようにターゲットとなる視聴者がどの媒体で目にするかを想像して、配信先を決めることが肝要です。

以下は、オンライン・オフライン別に、おもな配信先の種類をまとめた図表です。

ただし、配信先によってかかるコストは大きく異なるので、予算に応じて効果的な配信先を選択するようにしましょう。


・動画タイプの分類

動画マーケティングに活用される映像コンテンツは、その目的に応じて分類することができます。ここでは目的に合わせた動画の種類を確認していきましょう。

動画タイプの分類

    - 販促・プロモーション系

    - ブランディング系

    - CRM系

    - 採用系

    - 営業支援・ウェビナー系

販促・プロモーション系

SNSやオンラインのチャネルに加え、店頭やイベント会場でのデジタルサイネージなど、直接ユーザーの購買意欲を高めるために活用される動画です。商品の品質や価値をわかりやすく、1〜2分程度の短時間で訴求していくのが特徴です。

また、リアルタイム性の強い手法としてライブ配信などの手段をとることもあります。

ブランディング系

映像を通じて、企業や製品、サービスの認知向上、ブランドイメージを高めるための動画をブランディング動画といいます。単なる製品紹介ではなく、ビジョンや理念、製品・サービスが提供する世界観や情緒的価値、体験価値、活用イメージなど、何を伝えるかは事例によりさまざまです。

ただし、企業側からの一方的なメッセージになってしまうと訴求力が弱まってしまう点に注意が必要です。

CRM系

CRM(顧客関係管理)の分野においても、動画活用は効果的な施策です。メルマガやターゲティング広告などの配信手段を使い、リピートの促進やロイヤルカスタマー化などの目的で既存顧客に向けて動画を配信します。内容は、既存製品の使い方から新製品の情報など、目的に応じて選択します。

採用系

近年の市況的な採用難に対して、他社と差別化を図る上で採用での動画活用にも注目が集まっています。採用マーケティングの一環で、認知や興味喚起の手段として社員インタビュー、事業やオフィスなどの紹介の動画を配信したり、企業説明会を動画に置き換えて求職者が場所・時間の制限なく閲覧できるようにしておくなど、用途も手法もさまざまです。

営業支援・ウェビナー系

おもにBtoBマーケティングで有効な施策となるのが、営業支援系の動画です。ウェビナーなどを通じて自社商材に関連する分野のノウハウなどを発信し、企業名や連絡先などの登録を条件に閲覧を許可することで潜在顧客を顕在化し、営業に役立てます。

短尺・長尺動画について

ここまでに挙げてきたタイプとはくくりが異なりますが、動画はプラットフォームに応じて短尺動画と長尺動画に分けられます。一般的に、「短尺動画のほうがよい」といわれることが多いですが、実際には目的に応じて長尺動画が適しているケースもあります。

ただし、「無駄に長い」動画は視聴数や離脱率にも大きく影響するので、配信先条件に応じて適切な長さで制作していくことを心がける必要があります。

目的・ケース別成功事例を紹介

ここからは、より実践的に「このケースではどんな動画をつくればよいか」というように、目的・ケース別で活用する動画の解説と、成功事例を紹介していきましょう。

・「集客/認知向上」事例 —素早く継続的な配信が鍵

企業や製品の認知を上げる場合には、繰り返し自社の発信する情報に触れてもらうことが大切です。集客・認知向上を目的とした動画マーケティングでは、制作にはあまり時間をかけず、継続的に配信していくことで、ユーザーとのタッチポイントを増やすことを意識します。

配信先は、InstagramやTiktokなど比較的ライトに発信できるプラットフォームを選ぶとよいでしょう。また、新規ユーザーとの接点を増やすためには、テレビCMや広告なども効果的です。

成功事例としては、資生堂のInstagramの活用手法が挙げられます。資生堂では、パーソナルビューティパートナーと呼ばれる同社の美容部員一人一人が、社員インフルエンサーとしてアカウントを運用。部員ごとにタイプが異なり選ぶ化粧品が違うため、それぞれに合ったメイクのHow toや、最新コスメの情報などを発信しています。アカウント数、発信される情報量が多く、ユーザーとのタッチポイントを意識した体制は、認知向上の運用例として非常に参考になります。


・「商材理解・CV獲得」事例 —利点や価値を短尺で訴求する

直接、製品の購入やサービスの登録に直結するコンバージョン(CV)獲得を目的とした動画では、その製品やサービスの価値を、短い動画で訴求するのが効果的です。その際に意識したいのが、機能的価値と情緒的価値のバランスです。「ユーザーは、自社製品のどんなところに魅力を感じるのか」を明確にした上で、訴求する内容を具体的にしていきましょう。

成功事例としては、タクシー広告の配信後、受注件数が約70%と大幅に向上したSUPER STUDIO「ecforce」の動画広告が挙げられます。なかやまきんに君を起用し、訴求ポイントをわかりやすくユニークに伝えて成果に繋げた好例といえるでしょう。


・「ブランディング」事例 —ビジョンをエモーショナルに伝える

「1分間の情報量がおよそ180万語分」という研究結果がある映像コンテンツは、言葉では伝えきれない世界観や体験価値といった情報を、ユーザーに伝えるのに適した手法です。店頭やイベントでの配信、SNSなどさまざまな配信先での選択肢にも挙がります。

継続的に視聴することでユーザーのブランドイメージがより強固になるので、ブランディング動画は、長期的に配信したり、シリーズ化したりすることでじわじわと効果に繋げていきます。

単体の動画での成功事例としてはLIXILが発信するブランドムービー「いつもを、幸せに。」、シリーズ展開での成功事例としては北欧、暮らしの道具店が展開するオリジナルドラマなどが挙げられます。


・「顧客との関係性強化・CS」事例 —既存顧客のニーズを捉えてわかりやすく

既存顧客に向けて、長期的に自社製品やサービスを使い続けてもらうためのCRMと動画は、非常に相性がいい組み合わせです。すでに顧客である場合、製品について一定の知識があるので、より深い情報や価値について動画を通じて伝えていくことができます。

たとえば、製品やサービスの使い方を教えるマニュアル動画(BtoBではオンボーディングとも呼ばれます)や、現状よりも上位プランの利用促進を促すなど、やり方はさまざまです。

必ずしも短尺でなければいけないわけではなく、それよりも既存顧客の不満やニーズなどを明確にして、ユーザーが求める情報を届けていくとよいでしょう。配信先はYouTubeほか、SNSでのターゲティング広告なども有効です。

成功事例としては、世界的なビデオ会議ツールで知られるzoomのマニュアル動画が挙げられます。活用場面や機能についてわかりやすく動画で伝えることで、顧客対応の作業コストを削減し、自社サービスのファン化に成功しています。


・「採用」事例 —採用だけで一つのマーケティング領域を持つ

「採用マーケティング」という言葉があるように、求職者を顧客と捉えることで通常のマーケティングと同じように、さまざまな動画マーケティング施策が考えられます。採用動画に取り入れやすい動画を、以下にまとめてみました。

成功事例としては、会社説明会動画ではリクルートが新卒採用サイトに掲載した「まるわかり!リクルート」、認知向上のユニークな動画施策としてはデルタ工業の「開発vs製造ラップバトル」といった取り組みが挙げられます。


・「リード獲得」事例 —価値のある情報でユーザー情報を引き出す

リードとは「見込み顧客」を指し、その獲得をリード獲得といいます。営業活動において、潜在顧客を知り、その顧客の情報を引き出すためのツールとして動画を活用します。

たとえば、BtoBのプロダクトであれば、自社製品が扱う領域のノウハウ動画を配信します。その動画に興味を持つ企業は、「見込み顧客」となるので、その企業や担当者情報の取得を目的とするのです。具体的にいえば、動画の視聴条件に企業情報の登録などを求め、それをリスト化します。

成功事例としては、Slackの「Sandwich Video agency」のSlack活用事例が挙げられます。「コミュニケーションツールの不統一」という、多くの現代企業が抱える悩みに対する解決策をストーリー的に伝え、多くの企業担当者の共感を呼ぶ動画として反響を呼びました。

動画マーケティングを始める3ステップ

ここまで、動画の種類や目的別にどんな動画を発信すればよいかを解説してきましたが、実際に動画マーケティングを実施するにあたっては、事前準備は入念に行います。実施の目的や、運用開始後の効果測定が曖昧だと、「何が課題でどう改善すればいいのかわからない」という状態に陥りやすいからです。

以下は、動画マーケティングを始める際の3ステップをまとめた表です。各段階での議論をしっかり行い、実施後に目的地を見失うことのないようにしましょう。

動画マーケティングの戦略と成功ポイント

目的に応じて動画マーケティングを開始したからといって、かならず求める成果が付いてくるわけではありません。目的に応じた配信先選びや、動画コンセプトの立案は実施する前段階で考えておくべきことです。

運用開始後、継続的に意識したい成功するためのポイントを4つ解説していきます。


・意識したい「HHH戦略」

動画マーケティングでは、2014年にYouTubeでの視聴傾向を基にGoogleが提唱した「HHH(スリーエイチ)戦略」と呼ばれる戦略が重要だといわれています。HHHとは、以下の“H”を頭文字とする3タイプのコンテンツを指します。

上の図の円の大きさは、それぞれターゲットの多さを表しています。これら3タイプの動画を作ってただ発信するのではなく、「適切なタイミング」かつ「適切な方法」で配信することで、より高い成果が見込めるようになります。


・KPIと効果測定から改善案を導き出す

実施前に定めておいたKPIを基に、配信した動画のアナリティクスを定期的に観測していきます。KPIが未達成の場合は、その指標をより下層の指標に分解し、要因や改善点を特定します。

たとえば、KPIがエンゲージ数で、その数値が未達だった場合、エンゲージメント数は「視聴回数 × エンゲージ率」という要素に分解できます。すると、視聴回数の改善、エンゲージ率の改善という二つの施策が打てそうだということがわかります。

こうした分析と改善を続け、PDCAサイクルを繰り返し回すことが動画マーケティングの成功には必要不可欠なのです。


・制作会社の選び方のポイント

この記事を読んでいる方の中には、「動画マーケティングのことは、なんとなくわかってきたけど実際社内のリソースがなくて、始められていない」という方もいるのではないでしょうか。その場合に取れる選択肢として、「動画制作会社への依頼」があります。

その際、重要となるのが「どんな制作会社に依頼するか」です。制作会社選びでは、以下の点の見極めがポイントとなります。

    - 予算内で目的を達成できるのか

    - 業務のカバー範囲(マーケティングも含むか)

    - 制作実績・事例

    - 複数の会社で比較検討する

一口に動画制作会社といっても、マーケティングに知見がある会社から、コンテンツとしてのクオリティにこだわる会社、実績も事例も少ない会社までさまざま。感覚や直感で選ぶのではなく、目的に対する費用対効果の観点から複数社を検討して選択するようにしましょう。


・タッチポイントを意識して継続的に

予算や工数をかけて動画を制作して配信を開始したとしても、ターゲットユーザーに届いた数が想定よりも少ないことは、残念なことにそれなりにあります。しかし、それで一喜一憂していたのではマーケティングの本来の目的は達成できません。

重要なのは、まだ届いていないユーザーに届くように、あるいはすでに届いたユーザーにも複数回のタッチポイントとなるように、継続して発信し続けることです。動画に限らずコンテンツ運用において大事なのは、空振りかホームランを狙うのではなく、ヒットの確率を上げて少しずつでもファンを獲得していくことです。継続こそが成果への近道という心構えを持って取り組みましょう。

まとめ

技術の進歩によって、消費者の行動モデルは大きく変わりました。今はその過渡期であり、動画市場は今後ますます活発になると予測されます。ですが、市場が飽和状態になってから動き出しても、予算や工数に見合うだけのリターンはのぞめません。

動画の市場成長が予測される今だからこそ、動画マーケティングを始めるには絶好の機会です。動画マーケティングにおいて自社は何を実現したいのか、明確な目的意識をもって取り組みましょう。


〈監修・執筆者情報〉

執筆:マーケティングWeek編集部

経歴:マーケティングWeekの記事編集部です。マーケティング領域に関する展示会を主催し、300近い出展社と数万人の来場者をご支援しています。支援実績を活かしてマーケティングに関わる有益な情報を発信します。

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