マーケティングファネルとは?3つの種類や段階ごとの施策例も紹介

ソーシャルイベントは、企業のマーケティング活動やブランディング戦略に欠かせない施策のひとつです。目的に応じて設計すれば、人脈形成や顧客との関係強化、サービスの認知拡大など、多くの成果が期待できます。本記事では、ソーシャルイベントの基本から具体的なメリット、開催時のポイントまでを網羅的に解説します。

●目次

ソーシャルイベントとは

ソーシャルイベントとは、企業や個人が共通の関心を持つ人々を集め、交流や情報交換、関係構築を目的として開催するイベントの総称です。顧客、見込み客、ビジネスパートナー、従業員など、対象は多岐にわたり、形式も多様です。

代表的なイベント形式には展示会、セミナー、カンファレンス、ワークショップ、ウェビナーなどがあり、対面・オンラインを問わず開催可能です。単なる社交の場にとどまらず、マーケティングやブランディング、採用、パートナーシップ強化といった実務面での成果も期待できます。

戦略的に企画・運営することで、自社にとって有益な接点を数多く生み出せるでしょう。

ソーシャルイベントを開催するメリット

ソーシャルイベントには、企業にとって多くのメリットがあります。人脈形成や情報収集だけでなく、製品・サービスの認知拡大や採用活動、さらにはステークホルダーとの関係性強化も期待できるでしょう。

ここでは、マーケティング担当者が押さえておきたいソーシャルイベントの具体的な利点を紹介します。


・人脈が広がる

ソーシャルイベントの魅力のひとつは、ビジネスの成長につながる価値ある人脈を形成できる点にあります。たとえば、普段接点のない業界関係者や潜在的な顧客、協業パートナー、さらには優秀な人材との出会いの場となり得ます。

名刺交換や対面での会話を通じて、メールやSNSでのやり取りでは得られない深い信頼関係が築ける可能性もあるでしょう。新たなビジネスチャンスの創出や将来的なアライアンスの可能性も広がるため、ソーシャルイベントは人脈形成を重視する企業にとって非常に有益だといえます。


・情報の交換・収集ができる

ソーシャルイベントでは、登壇者や参加者との対話によって、業界の最新トレンドや競合の動向、顧客の生の声といった情報を直接収集・交換できます。このように、書籍やWeb検索では得にくい情報を集められるのは大きな強みです。

たとえば、Q&Aセッションやディスカッション形式の場を設ければ、そこで得た知見を生かして自社の戦略策定やサービス改善につなげることもできます。


・製品・サービスのプロモーションができる

ソーシャルイベントではさまざまな参加者が来場するため、幅広い層にプロモーションが行えます。自社製品やサービスに直接触れてもらい、深く理解してもらうための絶好の機会です。たとえば、プレゼンテーションやデモンストレーションを通じて、実際の価値を体感させることで、参加者の購買意欲を高めることもできるでしょう。

特に、普段は体験することが難しいBtoB商材や高価格帯のサービスは、ソーシャルイベントでのプロモーションが効果的です。企業から対面で直接詳細な説明を受けられるため、信頼感の醸成にもつながるでしょう。さらに、参加者による口コミやSNSでの情報拡散によって、イベント後の認知拡大や新規顧客獲得にもつながります。


・採用の機会を得られる

ソーシャルイベントには優秀な人材が来場する可能性があるため、企業にとっては採用活動の一環としても有効に活用できます。特に学生や若手社会人向けのセッションでは、自社のビジョンや企業文化、働く環境の魅力を直接伝えることができ、人材発掘につなげられるでしょう。

また、カジュアルな雰囲気の中で参加者の本音や人柄に触れることで、表面的なスキル以外の魅力を見出せるかもしれません。このように、ソーシャルイベントは新卒・中途を問わず、企業と人材の相互理解を深める有意義な場としても活用できます。


・ステークホルダーとの関係を強化できる

取引先や既存顧客、株主、地域住民、従業員など多様なステークホルダーとの関係強化も、ソーシャルイベントのメリットのひとつです。関係者をイベントに招待することで、日頃の感謝を伝えると同時に、今後のビジョンや取り組みを直接共有することができます。

対話を通じて相互理解を深めれば、ステークホルダーのロイヤリティ向上が期待でき、継続的な支援や信頼関係の構築につながります。長期的なパートナーシップの形成には、こうした場が非常に有効です。

ソーシャルイベントの種類

ソーシャルイベントにはさまざまな種類があります。
ここでは特に代表的なものとして、展示会、カンファレンス、ワークショップ、セミナー、ウェビナーについてご紹介します。

・展示会

展示会は、多数の企業が出展して製品やサービスを広くアピールする大規模なビジネスイベントです。さまざまな層の来場者が見込めるため、特に新製品の発表や技術紹介に適しています。来場者は各ブースを回遊しながら、直接デモンストレーションを体験したり、担当者と対話することができます。

展示会は、ブランド認知を高めたり、見込み客を獲得したりするのに非常に効果的です。

一方、出展企業が多い分、競合との比較検討が行われやすいというデメリットもあるため、プレゼンテーションや展示の内容を差別化する工夫が求められます。


・カンファレンス

カンファレンスは、特定の業界やテーマに焦点を当てて開催される大規模なイベントで、複数の基調講演やパネルディスカッション、分科会などで構成されるのが一般的です。カンファレンスでは、業界のキーパーソンや専門家が登壇し、参加者に対して高度な情報や視点を提供します。

目的は、最新情報の共有や専門知識の深化、そして業界内でのネットワーキングの促進です。企業にとっては信頼性の獲得やブランドの専門性を示す場として有効であり、業界内での立ち位置を確立する手段としても活用されています。


・ワークショップ

ワークショップは、参加者が主体的に作業や議論を行い、スキルの習得やアイデアの創出を目指す体験型のイベントです。双方向のコミュニケーションが活発に行われるため、参加者同士の交流も自然と深まりやすいのが特徴です。

例として、自社サービスやツールを活用したワークショップが挙げられます。実際に参加者に体験してもらうことで、企業やサービスに対する理解が深まりやすくなり、記憶にも残りやすくなるでしょう。


・セミナー

セミナーは、講義形式で特定のテーマについて講師が知識やノウハウを提供するイベントです。比較的少人数で開催されることが多く、質疑応答の時間も設けられるため、対話を通じて企業に対する参加者の理解を深められます。

この形式は、既存顧客への教育だけでなく、見込み客の獲得にも役立ちます。参加者は、セミナーを通して業界動向を把握したり、実務的な知見を得たりすることができるため、満足感を得やすいでしょう。これにより、企業への信頼が高まる効果も期待できます。


・ウェビナー

ウェビナーは、オンライン上で開催されるセミナー形式のイベントであり、地理的な制約を受けずに全国・海外からも参加者を集めることが可能です。移動や会場費用が不要なため、主催者・参加者双方にとって効率的なコミュニケーション手段となります。

さらに、録画配信によりイベント後もコンテンツとして再利用できる点が大きなメリットです。視聴履歴や反応データの分析も容易なため、マーケティング活動や継続的なリード育成にも活用できます。

来場者の満足度を高めるソーシャルイベントの進め方

ソーシャルイベントを開催する際は、計画段階から開催後のフォローアップまで体系立てて進めましょう。ここでは主な手順をご紹介します。


・イベントの目的を明確にする

ソーシャルイベントを効果的に進める第一歩は、「なぜイベントを開催するのか」を明確にすることです。目的が不明確なままでは、企画内容や集客施策、評価指標などが一貫せず、思うような効果を得られない恐れがあります。

たとえば、「新規リードを○○件獲得する」「製品Aの認知度を○○%向上させる」など、測定可能なKPIを設定することが望ましいです。目的に応じて設計すべき内容も変わるため、社内で共有しておきましょう。あらかじめ社内での認識を統一しておくことで、現実的かつ具体的な計画を立てやすくなります。


・イベントの形式とスケジュールを決める

目的が明確になったら、次にイベントの形式とスケジュールを設計します。展示会やウェビナーなど、設定した目的に最も適した形式を選定することが重要です。また、対面形式かオンラインかによって、必要な準備や進行方法も異なります。

さらに、ターゲット層が参加しやすい日時や場所(オンライン含む)、所要時間、予算などを総合的に考慮し、具体的な開催計画を立てます。また、プログラム面でも細やかな調整が大切です。例えば参加者が疲れにくいよう、適切な時間配分や休憩の確保を行ったり、重要なコンテンツの配置を工夫し、満足度向上につなげましょう。


・集客・広告施策を実施する

イベントを成功させるには、ターゲット層への告知が欠かせません。ウェブサイト、SNS、メールマガジン、プレスリリース、広告など複数のチャネルを組み合わせ、目的や参加メリットを明確に伝えることが重要です。

また、申し込みから参加までの導線をスムーズに設計する工夫も必要です。申込特典やリマインドメールを送るなど、こまめに情報発信することで集客効果を高められるでしょう。


・イベント開催に向けて準備を進める

集客と並行して、当日に向けた準備も着実に進める必要があります。会場や配信プラットフォームの手配、登壇者への依頼と調整、プログラム詳細の確定、必要な資料や機材の準備、運営マニュアルの作成、スタッフのアサインなど、細部にわたる準備が求められます。

特にオンライン開催では、接続トラブルを防ぐための事前テストが欠かせません。スムーズな運営のために、チェックリストを活用して進捗を管理し、万全の体制で本番に臨むことが重要です。


・イベントを開催する

当日は、事前に立てた進行計画に基づき、円滑な運営を心がけます。受付対応や進行管理、トラブル時の対処も含め、運営スタッフとの連携が円滑に行える体制を整えておくことが大切です。また、参加者との対話や得られたリアクションをヒントに、より満足度を高められるような立ち回りを意識しましょう。イベントでは、写真撮影や録画もプロモーションに有効です。


・イベント開催後のフォローアップを行う

イベント後のフォローアップは、参加者との関係を強化する上で非常に重要です。お礼メールやアンケートはできるだけ早く送付し、参加への感謝を伝えるとともに、次のアクションへのきっかけを作ります。

アンケート結果は速やかに集計・分析し、次回イベントや施策の改善点を洗い出す材料とします。また、獲得したリードについては営業部門と連携し、適切なタイミングでのアプローチを開始することで、ナーチャリングにもつなげていきましょう。

ソーシャルイベントを成功させるためのポイント

イベントを成果につなげ、参加者に価値ある体験を提供するために、以下のポイントを特に重視しましょう。


・早期から集客を開始する

ソーシャルイベントの集客は、早期に開始することで成功率が高まります。ターゲット層がスケジュールを調整しやすいように、十分なリードタイムを確保し、遅くとも1か月前には告知を始めるのが理想です。

集客チャネルとしてはSNS、メール、広告などを組み合わせて段階的に情報を発信し、関心を引きつけていきます。また、早期申込割引などのインセンティブを活用することで、早い段階からの参加促進と参加者の囲い込みが期待できます。


・定期的にリマインドをする

参加申し込みがあっても、リマインドが不十分だと当日キャンセルや無断欠席が発生する恐れがあります。そのため、イベント開催日が近づいてきたら、複数回にわたってリマインドを送付することが重要です。

メールやカレンダー登録の促進に加え、開催日時、場所または配信URL、プログラム概要などの詳細な情報を繰り返し伝えることで、参加忘れを防ぎます。また、リマインドの中でイベントの見どころや特典を強調すれば、参加者の期待感が維持され、参加率を高めることができるでしょう。


・参加者の満足度を意識した内容にする

参加者が満足するイベント内容を設計することが、次回以降の参加や口コミによる拡散につながります。イベントのテーマ設定からコンテンツの質、登壇者の選定、運営のスムーズさ、交流の機会まで、あらゆる側面で参加者の期待を超える工夫が求められます。

そのためには、事前に参加者の関心や課題を把握し、それに応じたコンテンツを提供することが鍵です。さらに、アンケートやリアルタイムでの反応を踏まえて柔軟に対応すれば、高い満足度を得やすくなり、次回参加への意欲を高められるでしょう。

まとめ

ソーシャルイベントは、ただ開催するだけでは成果に結びつきません。十分な事前準備と明確な目的設定、効果的な集客とリマインド、そして参加者満足度を意識したコンテンツ設計が、イベントの成功を左右します。

今回紹介したポイントを押さえることで、初めての開催でも失敗を避け、次回以降へとつながる価値あるイベント運営が期待できます。参加者の期待を超える体験づくりを意識し、継続的な改善を重ねていくことが成功への近道です。


〈監修・執筆者情報〉

執筆:マーケティングWeek編集部

マーケティングWeekの記事編集部です。マーケティング領域に関する展示会を主催し、マーケティングに関わる有益な情報を発信します。


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