「SEOは効果が見えない」は誤解?マーケターが知るべき資産価値と成功へのロードマップ

はじめに:なぜ今、改めてSEOの効果が見直されているのか

インターネット上で商品やサービスを調べる行為は、多くの人にとって日常の一部となっています。こうした状況の中、自然検索結果で集客し、長期的にサイトの価値を高めるSEO(検索エンジン最適化)の重要性が再認識されています。特に展示会に参加する企業やマーケターにとっては、オンラインでの情報発信力を強化する手段として、SEOへの注目が集まっています。

SNSや広告を利用した短期のプロモーションと比較し、SEOは中長期的な視点で自社のオンライン資産を形成できる点が特徴です。サイト全体の評価が高まるほど、キーワードに対する検索順位の安定や信頼度の向上につながり、継続的に成果を得られる点が大きな魅力といえます。

●目次

SEOがビジネスにもたらす3つの本質的な効果

・集客チャネルとしての長期的な効果

SEOは、企業のウェブサイトやコンテンツを自然検索の上位に表示させることで、継続的に見込み客との接点を持てる手法です。2024年1月に実施された調査(株式会社Digital Arrow Partners、月間Webマーケティング予算100万円以上の企業103社対象)では、企業の約96.1%が何らかのSEO施策を実施しており、特にコンテンツ制作(69.7%)、内部施策(67.7%)、外部施策(54.5%)を組み合わせた運用が主流となっています(参照*1)。

同調査では、自社ウェブサイト(SEO)を最も重要な集客チャネルと回答した企業が76.8%に上り、SNS(71.7%)やウェブ広告(68.7%)を上回っています(参照*1)。これは、一度上位表示を獲得すると長期的な集客が続きやすく、投資の継続効果が大きいことを示しています。展示会でのリアルな来場者を増やすのと同様に、検索結果での露出はブランド認知の成長に直結しやすいといえるでしょう。


・売上・リード獲得への波及効果

SEOを通じて検索エンジンから流入する訪問者は、自発的な情報収集意欲が高いため、購買や問い合わせなどの成果につながりやすい傾向があります。費用対効果の観点で十分な効果を実感している企業は80.8%に達しており、SEOが売上増加や有望なリード獲得の手段として高く評価されていることがわかります(参照*1)。

広告やSNSとは異なり、一度最適化して順位を上げると、ランニングコストを抑えながら見込み客の流入を長期的に得られる点も特徴です。売上やリードの最大化を目指す場合、検索キーワードの選定が不可欠です。製品名やサービス名といった指名検索だけでなく、課題や目的を示す検索語を取り込むことで、新規顧客との接点が広がります。こうしたSEO施策の積み重ねは、自社のデジタル資産を拡充し、展示会で獲得した見込み客への継続的な接触機会も創出します。


・ブランド信頼と意思決定への影響

検索結果で上位を獲得することは、ユーザーの信頼感を高める要素となります。2025年9月にランクエストが887キーワードを対象にGoogleサーチコンソールデータで分析した結果、検索順位1位のクリック率(CTR)は32.4%、2位は12.8%と大きな差がありました(参照*2)。ユーザーは上位に表示された情報を重視しやすく、こうした序列は購入意欲や意見形成にも影響します。展示会に足を運ぶ前に検索で下調べをするケースも多く、上位表示のサイトほどブランド認知が向上する可能性が高いといえます。

さらに、2025年7月にアスマークが職種別に実施した調査(300サンプル、Webアンケート)では、経営・企画・マーケティング部門の担当者ほど検索エンジンによる情報収集を重視し、直近半年の意思決定要因として検索エンジンが最も多く挙げられました。また、AIによる概要提示(AI Overviews)の活用意欲も高く、より豊富な情報が上位で提供されることでブランドへの信頼がさらに高まる可能性があります(参照*3)。

効果が出るまでの期間は?「すぐには伸びない」現実と向き合う

・SEO施策と効果発現までの時間軸

SEOの成果は短期間では得られにくく、一部の要素では数週間程度で検索結果に変化が見られることもありますが、一般的には4か月から1年ほどのスパンが必要とされています(参照*4)。この期間は、キーワードの競合状況や既存コンテンツの質、サイトの権威性によって前後します。多くの企業では検索順位やクリック率をこまめにチェックし、戦略を修正しながら粘り強く取り組むことで効果を狙っています。

Googleの公式ガイドによれば、サイト内の変更内容が検索結果に反映されるまでの時間はケースバイケースであり、更新から数時間で反映される場合もあれば、数か月かかることもあります(参照*5)。こうしたタイムラグはクローラーの巡回頻度やアルゴリズムの品質評価プロセスによるため、焦らず改善を継続する姿勢が重要です。


・短期で見える指標と長期で効く指標

SEO対策の結果を評価する際は、短期間で変化がわかりやすい指標と、ある程度の期間観察が必要な指標を切り分けて考えることが大切です。クリック率や滞在時間、コンバージョン率などは早期に傾向が見えやすく、約3か月ほどで施策の方向性を把握できます(参照*6)。一方、ドメイン全体の権威性向上やナチュラルな被リンクの獲得といった要素は、数か月から1年単位での定点観測が必要です。

長期指標としては検索順位の安定やブランドキーワードの増加など、サイト自体の評価が着実に上がっているかを見極めることがポイントです。展示会集客のようにイベントごとの短期成果を重視するマーケターであっても、SEOは腰を据えて積み上げることで、あとから大きな成果を得ることができます。


・展示会・広告との投資回収サイクルの違い

展示会はその時期ごとの来場者数や商談化の成果がすぐに見えるため、出展後に効果を把握しやすいメリットがあります。広告も同様に、予算配分やクリエイティブの調整で即時的な集客が可能です。一方でSEOは、成果が確立するまでに長い時間を要し、継続投資が必要です。

しかし、SEOで成果が高まれば、リスティング広告のクリック単価を抑えたり、資料請求などのリードを広告に頼らず安定的に獲得できるようになります。SEOは展示会や広告と補完関係にあり、中長期的な視点で投資回収を目指す戦略が有効です。

SEOの効果を可視化する測定方法と重要KPI

・SEO効果測定の全体像

SEOの効果測定とは、実施した施策によって検索上位表示やアクセス数がどのように変化したかを複数の指標で把握することです。検索順位やクリック数、コンバージョン数だけでなく、サイト滞在時間やページビュー数も合わせて評価し、総合的な成果を検証します(参照*6)。

こうした定量的な評価は、コンテンツやサイト構造の改善点を発見するきっかけになるだけでなく、社内でSEOの重要性を説明する材料としても役立ちます。定性的な評価と組み合わせることで、どのようなメッセージやテーマがユーザーに響いたのかを分析し、より効果の高い施策を繰り返すことが可能です。


・検索パフォーマンス指標

検索パフォーマンスの主な指標には、平均掲載順位、表示回数、クリック数、クリック率(CTR)などがあります。Google Search Consoleを活用すれば、キーワードごとの掲載順位やクリック状況を簡単に確認でき、キーワードとページの相性を見極めるうえで有用です。順位変動が大きい場合は、競合サイトの施策や検索アルゴリズムの更新が影響している可能性もあります(参照*6)。

さらに、日次単位で順位を追跡するポジション・トラッキング・ツールを併用すると、上位ランクインの傾向をより早く捉えることができます(参照*4)。これらのデータは、特定キーワードの順位が下がり始めたタイミングで原因を調べたり、新たに注力するキーワードを選定したりする際に役立ちます。


・サイト内行動とコンバージョン指標

Google Analytics4(GA4)などを使い、ユーザー数や新規ユーザー数、セッション継続率、コンバージョン数などの指標を取得すれば、サイト内でのユーザー行動をより詳細に把握できます。

直帰率や滞在時間も重要で、ありきたりな内容だけではユーザーが離脱しやすくなる一方、有益な情報や興味を引くコンテンツ、特に独自の情報があれば、サイト内を回遊する時間が増え、最終的な問い合わせや購入につながりやすくなります。

また、コンバージョン(CV)を設定することで、資料請求や問い合わせフォームの送信、会員登録などの成果を数値で把握できます。SEOの場合は、広告と異なり自然流入からのCVが増えれば増えるほど、コストパフォーマンスが大きく高まる点が魅力です。


・レポーティングと社内共有のポイント

効果測定の内容は、関係者が把握しやすい形でまとめることが重要です。単にアクセス数やCTR、コンバージョン数を並べるだけでなく、変化の理由や今後の方針を示すことで、社内での理解と納得を深めやすくなります。グラフやダッシュボードを活用して見やすく整理し、目指すべきKPIを再確認することも有効です(参照*7)。

共有の際には、担当者だけでなく他部署との連携にも配慮しましょう。ウェブサイトの改修やコンテンツ更新には開発チームの支援が必要になる場合があり、あらかじめ運用体制を整備しておくことで効果測定の結果をスムーズに反映できます。SEOの成果は最終的に企業全体の成長に直結するため、測定データを共有しながら協力体制を築くことが成果最大化のポイントです。

確実な効果を出すためにマーケターが意識すべき実践ポイント

・検索意図とコンテンツ設計

SEO施策を成功させるには、ユーザーが求める情報を正確に把握し、検索意図に合わせたコンテンツを提供することが不可欠です。生成AI時代においては、単にキーワードを詰め込むのではなく、ユーザーの背景や目的を想定しながら、専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)の高い情報を発信することが求められます(参照*8)。

読みやすさや独自性、最新性なども重視し、適切なタイトルや見出し、本文構成を工夫することで検索エンジンだけでなく訪問者が理解しやすいサイトを作れます。また、情報を継続的に更新することで鮮度を保ち、ユーザーの課題を的確に解決できる記事を提供する姿勢が重要です。こうしたコンテンツ制作の積み重ねが、中長期的な順位上昇とブランド評価の向上につながります。


・内部施策と技術的健全性

内部施策とは、サイトの構造やHTMLの最適化、リンクテキストやスニペットの整備など多岐にわたります(参照*5)。特にパンくずリストの設計やURL構造をわかりやすくすることで、検索エンジンがページを認識しやすくなり、ユーザーも目的のページへ迷わずたどり着きやすくなります。内部リンク戦略によってサイト全体を効率的に巡回させ、価値あるページの評価を底上げすることも重要です。

また、ページ速度やモバイル対応といった技術面にも配慮し、クローラーが問題なくサイトを読み取れるようにすることが不可欠です。2024年以降のウェブサイトでは、速度やユーザーエクスペリエンス(UX)がより重視されており、滞在時間や直帰率にも影響します。こうした基盤がなければ、いくら質の高いコンテンツを作成しても十分な評価を得にくいため、内部施策の着実な実行がSEOの基礎となります。


・被リンクと外部評価の強化

被リンクは、外部サイトから自社サイトへ向かうリンクであり、検索エンジンにとってはそのサイトがどれだけ他社から評価されているかを測る指標とされています。Googleは質の高い被リンクを多く集めるサイトを高く評価し、検索順位を上げる傾向があります(参照*9)。業界やテーマが近いサイトからリンクを受けるほど、自社の専門性や権威性はさらに強化されます。

信頼度の高いリンクを得るには、有用かつ独自性のあるコンテンツを作り、自然に他社から引用されるページを目指すことが近道です。協賛リンクや行政機関、大学などの公的機関との連携も効果的で、寄稿や監修の機会を通じて外部サイトへの登場回数を増やす戦略も有効です。ただし、リンク獲得のために違反行為を行うと検索エンジンからペナルティを受けるリスクが高まるため、正攻法での外部評価向上が長期的な成果を支えます。


・AI活用と運用体制の最適化

2024年1月の調査(株式会社Digital Arrow Partners)では、AI活用を予定している企業は75.8%、すでに活用中の企業は4.0%に上ることが明らかになっています(参照*1)。コンテンツのライティングやコンセプト設計をAIに任せる動きが進む一方、キーワード選定や品質管理については不安を感じる担当者も多いようです。

また、内製と外注のハイブリッド体制を取る企業が61.6%に達している点も注目されます(参照*1)。AIでベースとなるコンテンツを高速に生成し、人間が専門的な知識や独自性を加筆して完成度を高めるアプローチは、効果的な融合といえるでしょう。こうした運用体制を整えることで、検索アルゴリズムへの理解を深めつつコンテンツの質を担保し、適切なキーワード選定や検索意図の分析が行いやすくなります。


・PDCAサイクルと継続改善

SEOは一度施策を行えば終わりではなく、結果を踏まえた継続的な改善が成果を伸ばす鍵となります。効果測定で得られたデータを分析し、サイト構造の見直しや新たなコンテンツ追加、内部リンクや外部リンクの強化を随時行うことで、検索エンジンの評価をさらに高めることができます(参照*7)。

このプロセスは短期間で劇的な変化を期待するよりも、コツコツと結果を積み上げる地道さが欠かせません。展示会の出展と同様に、事前の準備とアフターフォローを丁寧に実施することで、継続的な成果を得られるのがSEOの強みです。社内リソースを活用しやすい体制を整え、定期的に成果レポートを見直しながら改善の方向性を調整することが、最終的な成功につながります。

おわりに:SEOは「狩猟」ではなく「農耕」。中長期的な視点で成果を最大化する

SEOは短期間で結果が出にくい一方で、継続的に施策を積み上げることで大きな収益源へと成長する可能性を持っています。展示会や広告と同時に取り組むことで、あらゆる接点から潜在顧客を引き込み、中長期的なビジネスの基盤を固めることができます。

短期的な成果を追い求める狩猟型のマーケティングだけでなく、農耕のようにじっくりと育て、定期的に施策を見直すことで長く利益を生み出すのがSEOの特徴です。今後もウェブ環境が変化し続ける中で、自社サイトの価値を資産化できるSEOへの注力は、マーケターが取り組むべき重要テーマといえるでしょう。


・参照


〈監修・執筆者情報〉

執筆:マーケティングWeek編集部

経歴:マーケティングWeekの記事編集部です。マーケティング領域に関する展示会を主催し、300近い出展社と数万人の来場者をご支援しています。支援実績を活かしてマーケティングに関わる有益な情報を発信します。


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