マーケティング戦略が失敗する理由とは?よくある落とし穴と見直し方を徹底解説

はじめに

マーケティング戦略とは、商品やサービスを誰にどう届けるか、決める設計図です。しかし現場では、施策を増やしたのに成果が出ないことや、定めた方針通りに進まないなどの課題があります。この記事では、

・マーケティング戦略が失敗する原因となる落とし穴
・失敗した戦略をどう見直して、再発を防ぐか

をについて解説します。

●目次

マーケティング戦略が失敗する落とし穴

・ターゲットと顧客理解が曖昧なまま進めてしまう

ターゲットが曖昧だと、伝える言葉も、選ぶ施策も、すべてが曖昧になります。ターゲットを絞りきれず幅広い層に届けようとすると、訴求が当たり障りのない内容になり、結果として誰にも刺さらない発信になる可能性があります(参照*1)。

逆に、理想の顧客像が明確だと、メッセージや価格、売り方、チャネルが決めやすくなり、実際にとる施策も揃いやすくなります。そして、市場と顧客像は変化するため、固定せずに柔軟に見直すことが必要です(参照*2)。

たとえば、ターゲットを絞るとき「20代男性」などでは、広すぎます。学生か社会人か、初めて買う人か乗り換えの人か、何に困っているかまで決めないと、値段の伝え方も、比較の見せ方も決まりません。ターゲットが曖昧なまま施策を積み上げると、修正のコストも大きくなります。


・目的やKPIが不明確で組織の動きがバラける

目的が曖昧だと、部署ごとの優先順位が異なる可能性があります。広告担当は閲覧数、営業は商談数を、経営は売上だけを見るといった状態になり、一貫性のあるマーケティングができません。目標と目的を決めるときには、まず達成可能な目標と成功の指標を示すことが必要です(参照*3)。

ここで必要になるのがKPIです。KPIとは、目標に対する進み具合を測るための指標です。目的に応じたKPIを設定することで、組織の動きが揃いやすくなります。たとえば、売上を伸ばすことが目的なら、問い合わせ数や商談数などの数字に分解できます(参照*4)。

KPIがないまま進めると、施策の一貫した評価ができません。すると、成果が出ない原因が特定しにくく、改善が遅れます。目的とKPIが不明確な状態は、戦略の失敗を長引かせます。


・競合優位性を過大評価しポジショニングを誤る

競合より優れていると過度に思い込んだり、優れている点を見誤ったりすると、他社との比較においてとるべきポジションを間違えます。

競合分析をする際は、直接・間接の競合を特定したうえで、差別化のポイントを明確にする必要があります。たとえば、機能の独自性、専門性、顧客サポート、商品への信頼性といった観点から、明確化を行います(参照*5)。

よくある失敗は、自社の強みを、社内からの目線で語ってしまうことです。顧客目線で、困りごとが解決するか、安心して使えるか、乗り換える理由があるかを分析しなければなりません。競合を正しく置き、差別化の軸を言葉にできないと、広告や営業に一貫性がなく、結果として選ばれにくくなります(参照*6)。


・施策が多すぎてリソースが分散する

失敗の典型は、試作を増やしすぎることです。広告、SNS、展示会、メール配信などを同時に始めると、担当者の時間も予算も薄く広がり、どれも中途半端になります。同時に多くのチャネルを試すと資源が分散して効率が低下し、ターゲットに届かなくなるリスクがあります(参照*7)。

現場で起きるのは、施策が増えるほど「準備」「制作」「確認」「報告」が増え、改善に使う時間が消えることです。まずは少数のターゲットとチャネルを試し、一定期間取り組んで振り返りを行い、改善していくほうが、早く結果につながります(参照*7)。


・チャネル選定が顧客行動とズレている

チャネルは、顧客が情報を集めたり、購入する「顧客との接点」です。ここがかみ合わないと、良い発信をしたとしても利益の向上にはつながりません。たとえば、比較検討の時間が長い商品なのに、短い動画だけで決めてもらおうとすると、購入に至らないケースが増えます(参照*8)。

チャネルを増やす前には、顧客が迷わない設計にすることが必要です。顧客が商品を比較する場所や、どのような情報に基づいて購入を決めるのかを先に押さえると、チャネル選定のズレを減らせます。


・計測設計が弱く改善できない

計測設計とは、どの数字を、どのタイミングで、どう見て改善するかを決めることです。ここが弱いと、施策を続けても良し悪しが分からず、改善が止まります。たとえば、KPIや目的が曖昧で効果の測定ができないと、改善すべき点がわからないままプロジェクトを進めることになります(参照*9)。

計測が弱い現場では、閲覧数や問い合わせ数といった一つの数字のみに着目していることが多いです。しかし、数値によって重要度は異なります。本来は、目的に近い数字がどれだけ動いたかまで確認しなければなりません。

失敗したマーケティング戦略の見直し方

・現状把握をしてターゲットなどの前提を再定義する

戦略が失敗していると感じたときは、まず現状把握を行い、いま何が起きているかを数字と事実で並べます。

ここでは、最初に置いた前提が今も正しいかを重点的にチェックしましょう。市場や顧客の状況が、戦略を立案したときと変わっているかもしれません(参照*10)。

まずは「どの顧客が」「どの経路で来て」「どこで離脱しているか」を押さえます。サイトの閲覧数などの数字だけでなく、その後の商談化率や受注率までつなげて確認すると、各施策との役割分担が見えやすくなります。そして、当初のターゲット、価格、売り方、競合の置き方が今も妥当かを点検し、前提を言葉で書き直します(参照*11)。


・目的を一文で定義し、KGIとKPIを設定する

目標が具体的でないと、各自の解釈で動いてしまい、各チームの施策にまとまりがなくなります(参照*12)。
まず目的を一文で定義し、最終成果を示すKGIと、中間目標となるKPIを設定します。

たとえば、KGIとして「売り上げ拡大」をに目指す場合、

・リード獲得数
・有効商談数
・受注率

など、関連する指標をKPIとして設定し、改善点を見える化します。短期的に見るべき指標と長期的に見るべき指標を分けましょう(参照*13)。

KPIには定義(算出式)のほか、責任者、データ取得方法、更新頻度、目標値を設定します。重要な意思決定に使うKPIは、あらかじめ少数に絞りましょう(参照*13)。


・現状にあわせて競合分析を行い、自社のポジションを再検討する

ターゲットや市場の変化に合わせて、自社のポジションを再検討します。具体的には、自社の商品を選んでもらう際に「何を決め手として選んでもらうのか」を考えます。その「決めて」によって、競合との差別化を行います(参照*5)。

差別化では、自社がアピールしたいことではなく、顧客が競合との比較の際にチェックする強みを中心に置きましょう。たとえば、競合と同じ価格帯の商品やサービスを提供する場合は、サポートの速さや、導入のしやすさをアピールする方が効果的です(参照*5)。


・施策を絞り、リソース配分と優先順位を再設計する

施策が多すぎると、効果が分散してしまいます。

まず現行施策を、目的へどの程度寄与しているか、必要リソースは何か、計測可能性はあるかなどの観点から見直し、同じKPIに影響する施策をまとめます(参照*14)。

次に、各施策を

・インパクト×確度(根拠の強さ)×工数

で簡易スコア化し、上位の施策だけを残して「やめるリスト」を作ります。残す施策をさらに、即効性(短期)や伸びしろなど、期待する効果ごとに分けます。そして、効果毎に実施する施策の上限数を決めて同時進行を制限します。(参照*15)。


・顧客との接点を分析してチャネル選定を見直す

チャネル選定が顧客行動とズレている場合は、まず顧客商品を認知して購入するまでの接点を、アクセス解析や営業の記録、顧客へのヒアリングで洗い出します。顧客は複数チャネルを横断しながら判断するため、一つの流れだけではなく、実際の行動に合わせて見直す必要があります(参照*16)。

次に、各チャネルの性質を分析します。顧客にとってそのチャネルは、商品を発見する場所なのか、比較をする場所なのかなど、分析します。重複チャネルの統合をしたり、欠けている段階には代替チャネルを補います。あわせて、段階ごとに必要な情報を整理し、チャネル間で矛盾が出ないようにします(参照*17)。

最後に、段階別のKPI(商談化率、受注率、継続率など)でチャネルの検証を行い、結果に応じて配分を更新します。


・計測がきちんと行われるように運用体制を見直す

計測が回らない原因の多くは、数字の「集め方」と「使い方」が統一されていない点にあります(参照*18)。

まず、主要KPIごとに定義(算出式・対象範囲)、データ源、更新頻度、責任者を固定し、プロジェクトのメンバー全員が確認できる状態を作ります。次に、「どの顧客が、どの経路で来て、どこで離脱したか」を追えるように、重要な顧客接点と行動を計測し、商品を認知してから問い合わせ・購入に至るまでの段階を可視化します(参照*18)。

また、計測はデータ品質が崩れると成立しないため、欠損・重複・不整合などを定期的に検査し、異常があればすぐに検知できるようにします。
最後に、KPIを見る定例会議と意思決定の流れを決めて、指標の定義変更やタグ修正の申請ルートも一本化すると、運用における計測が定着します(参照*19)。

おわりに

マーケティング戦略の失敗は、ターゲットやKPIの不明確さ、競合の見誤りなどの設計のミスと、施策過多、チャネルのズレ、計測の弱さといった実行上の問題が挙げられます。

見直しでは、現状把握で前提を書き直し、狙う相手と提供価値を再設計し、PDCAが回る体制とルールを整えることが重要です。


・参照


〈監修・執筆者情報〉

執筆:マーケティングWeek編集部

経歴:マーケティングWeekの記事編集部です。マーケティング領域に関する展示会を主催し、300近い出展社と数万人の来場者をご支援しています。支援実績を活かしてマーケティングに関わる有益な情報を発信します。


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